
小人が、その辺、歩いていそう。
さて、昨日の小鼓記事の続き。
先生は駆け出しで、素人個人に教えるようになって二年め。
私も習って二年め。
そう、私が一番最初の生徒なのだ。
つまり、私より先に進んでいる人がいない。
先生が謡いながら、左手で大鼓の手を、右手で小鼓の手を張扇でやってくださり、
それをICレコーダ緒で録音。
「はい、じゃあ、これでやってきて」と言われれば、
「ハイ……」としか言えない。
「よそもこうですから」と言われれば、しょうないのだ。
だが、私の後の人は、強かった。
「謡いながら打ってください。それがないと練習できません」
と言い、
先生も「ええ〜?」といいながらも、
先生はその都度、張扇バージョンのほかに、
謡いながら小鼓+掛け声(掛け声のところは謡わない)をするバージョンも録音。
なんと器用な。
それをあとで知って「私も〜」といったのだが、
「この曲だとできません」とか「いやです」と却下された。ひどい。
そののち、強者に強く請われて「やったことないけど……」といってやってるのをみた。
できるんじゃん。
わたしのときばかし、ひどい。
そう言ったら、「なくてもできるんだからいいじゃん」と強者に言われた。
たいへんなのにぃ……。
覚える以外に、先生が目の前で打ってくださるのは本当に勉強になるのだ。
あー、掛け声はここではこんな風にいうのか……とか、
右手はここまでさがるのか、このタイミングで下すのか、とか。
私なんて、先生が打つ姿なんて、舞台でしかみてないのに。
(その舞台でさえ、遠い席だと見えないのだが)
いちいちひがみっぽくてすみません。
でも、こうみえて、強く言えないんです……。
山本五十六の名言、
「やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、 ほめてやらねば人は動かじ」は、
お稽古事にもいえると思う。
説明されて、言葉できいてもよくわからない。
録音したものだと、やっぱり違う。
ノリも違うし、気迫が伝わらないのだ。
ちなみに、「練習できません」というだけあって、
この方、いつも完璧に覚えてくる。
有言実行、かっこいい。
本人的に納得がいかないと、先生が「もういいから」といっても
「いえ、来月ももう一回、お願いします」とおっしゃる。
すばらしい……。
私などは「これはもういいでしょう?」ときかれるので、「はい!」と答える。
素直なよい子……ではなく、飽きっぽいので同じ曲を何度もやるのがいやなのだ。
それはピアノの頃からの習慣だったりする。
発表会のときに仕上げればよい、という甘い考え。
そもそも、私のOKラインは、低い。
音もでてないので、この時点で完璧にする必要ない、と思うのだ。
謡だって、シテ方が謡うと全然違うから、今、完璧を目指しても、しょうがない。
先生の基本的な謡で、打つタイミングが100%理解できて、
暗記は九割方できていればOKだ。
打つタイミングの理解、というのは、
コミとか、節による緩急とか、ロンギとかキリとかの打ち方のことだ。
八拍も一拍目はゆったりしているが、下の句になるにつれ短くなる。
その辺が理解できていれば、タイミングに合わせて打てなくても、
今のところは十分ないかと、勝手に判断している。
これは謡をやっていない人には、理解しづらいことで、
私も謡を習っていない曲の場合、本当にたいへん。
初心者の私が習っていない曲は、当然難しくて、謡えないのだ。
数えたら今習っている謡で24曲目だった。
小鼓の方は28曲目。有名どころばっかり、すなわち習っていない曲ばっかり。
さ、そこで音源の工夫をどうするかだ。
あるとき、多重録音はどうだろう、と思いついた。
やってみた。
先生の八割を録音したものを、イヤホンでききながら、
私が小鼓を打ってそれを録音。
二つの音源を重ねるのだ。
打ち間違いも修正可能。便利。
ちなみに、ソフトは、SoundEngine Free と RadioLine Free を使用。
ICレコーダーは、ソニーとオリンパスを使用している。
やってみた結果。
多重録音バージョンは覚えるためにやるので、
あたりまえだが、うまく打てないうちに録音する。
相当、音がずれている。
しかも、四つの音を打ち分けられないので、音だけでは手がわからない。
別な意味で覚えづらい。
が、しかし、これしか手がないので、がんばった。
その後、時間がとれたのと、慣れてきたのとで、
多重録音はしなくなったのだが……。
例によって、張扇のほかに、鼓音が必要な方が、
長く難しい曲をやることになった。
先生は、お疲れの様子。
「二度謡いたくないから、藤丸さん、打って」
ええ〜〜〜(´ロ`ノ)ノ 覚えてないよ〜?
そんなわけで打ってみるのだが。きれいさっぱり忘れているのでボロボロ。
私だって、普通に2曲のお稽古終わった後で疲れてるんだい。
でもこれでは、彼女の練習になりまい。
久しぶりに、多重録音をして彼女に送ることにした。
後半の曲全部。何時間かかるんだ……。(;´д`)
多重録音、最初の頃は、5分のものに2時間かけて修正したが、
今回は10分のを1時間で直せた。
ちょっとでも、うまくなったんだなぁ……。
(前は微妙にリズムがずれていたのだ。)
音も大きくなっているし、四つの打ち分けも前よりマシ。
チリツモも一年経って、成果が見えたような気がした。
といっても、あと5曲ある。
そのあとの曲も、そうしないといけないんだろうな……。
ってことは、これがずっと続くのか……。
私の演奏を模範演奏として覚えなければいけない彼女がまことに気の毒。
なんかいい方法、ないのかなぁ。